今回のプロジェクトは色々な所で失敗しているが、その一つとして「技術領域」を間違えちゃったのは痛かったな。
このシステムは既存システムのリニューアルなんだけど、リニューアルの際に「クライアントソフトをWebサービスに置き換える」をやろうとしたのよ。
分かり易く言えば、
・今まではMicrosoftOutlookを使っていました。
・これからはGMailを使います。
ということ。
言語はVBからJavaになる。
これが失敗だった。
と言うのもね、僕の人生は即ちWebサービスの人生なのよ。
Webサービスこそが至高だと思っている。
これは哲学の世界だ。
歴史を辿ると、昔はシステムは「汎用機」とか言うパソコンとは違う謎の機械で動いていたらしい。
汎用機の場合、アプリケーションは機種毎に作らなければならなかったらしい。
「このソフトは富士通のXXXの為だけに作りました。同じ富士通のマシンでもYYYでは動きません。
ましてやIBM製品ではこれっぽっちも動きません」
という世界だった。
時が流れてパソコンの時代になっても、ソフトウェアはWindows、Max、Linuxなど、OS毎に用意しなければならない状況が続いた。
AndroidとiPhoneで同じアプリを別言語で作らねばならないのと同じである。
そんな時、世の中に「インターネット」と「常時接続」という絶対インフラが登場した。
昔はこれらは無かったし、あってもクソ遅いダイヤル回線とか専用線とか意味不明でハードルの高いものばかり。
インターネット常時接続は世界を変える超発明だった。
インターネット常時接続のお陰で、世の中にはWebサービスが出現した。
昔はOS毎に別々に作らなければならなかったアプリを、Webサービス1つで実現出来るようになった。
昔は「Windows用のメールソフト」「Max用のメールソフト」「Linux用のメールソフト」と別々にソフトを作らなければならなかった。
二度手間、三度手間である。
今はネット上に「Gmail」を展開するだけでOK。
どんなOSからでもブラウザで見れば良い。技術の一元化である。
これを当時は「Web 2.0」と言った。
僕はこの思想の支持者なのだ。
つまり、僕はこう考えている。
・全ては一元化されるべきである。
一元化至上主義者。
それが僕というエンジニアの本質である。
だからWindows上でしか動かないVBアプリなど無に帰すべき対象で、
システムはWebアプリ化することが僕の戒律だったわけよ。
今回はこれで失敗しちゃった。
クライアントアプリとWebアプリは別物だねw
操作感も違うし、実装するべき範囲も違うし、DB設計も何か合わないし……。
僕ってクライアントアプリは作ったこと無いから、その違いが感覚的に分かってなかった。
このシステムは非効率であっても現状維持で行かなければいけなかったんだけど、
僕は一元化至上主義者の原理原則で考えていたから、根っこから思考回路が間違ってたんだよね。
古いシステムってのは、新しいシステムしか知らない僕とは思想が違うんだよ。
技術力って言うより、宗教、思想、信条のレベルでミスマッチ起こしてたわ。
失敗した。
システムが過去の遺物になっちまうには、なっちまうだけの理由があるんだね。
話を聞く上では知ってたけど、今回のプロジェクトでそれが肌で分かった。
経験してみないと分からないことってあるんだね。
このシステムはどうしようも無い産業廃棄物となってしまったけど、
この教訓は僕の人生に生かしていきたい。(´・ω・`)
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