• 2019年3月4日月曜日
ウズマスターの日々
ウズマスターの日々 https://blog.uzumax.org/2019/03/blog-post_13.html

体制変更

例の崩壊プロジェクトを離任してからそろそろ2ヵ月。

退職も近いし、もう自分には関係無いな、と特に関心を寄せていなかったんだけど、今日、たまたまSlackに議事録が回ってきたのを見たら……、何だこりゃ?

旧体制


まず、僕が離任する最後の最後に、プロジェクトの体制について話をつけたんだ。
その時の体制がこちら。



もちろん機能毎に細かいチーム分けはあるけど、主旨としてはこの通り。


  • コンサルチーム:開発
  • プロパーチーム:レビュー


要件定義・設計・製造はコンサルが行い、プロパーはその結果のチェック、品質管理に専念するという体制である。

これはコンサルチームの開発進行が非常に壊滅的で、後々にプロジェクトが打ち切りに向かう時、その責任の所在を明確化する事を意識した構成だ。

裁判まで想定した防御の布陣であった。

現体制

ところが、久しぶりに議事録をチラッと見たら、体制が変わっちまってるんだ。




こういう風に「開発担当 / 品質担当」という区分けの考え方が無くなっていて、全部混合チームになっちゃってんの。
全体マネージャーはコンサルが勤めて、プロパーはリーダーポジションを務める。

あちゃ~。
何でこうなっちゃったのか。

まあ、その残っているプロパーってのは若手だからな。
主張が出来なかったんだろうな。

受動的に指示を受け入れた結果、こうなっちゃったってことだろう。

解説

この体制図が何を意味しているかと言うと、こういうことだ。

この体制において、プロパーは名ばかりであってもリーダーである。
つまり、担当する各チーム毎の実行責任を負うという意味だ。

もちろんこのプロジェクトは既に完全に失敗しているから、今更どう頑張ったところでリカバリー出来るものではない。
従って、このプロジェクトのリーダーに必要なのは開発を進行するスキルではなく、失敗プロジェクトの収束を行う能力が要求される。

失敗プロジェクトの収束を行う能力とは、早い話が整理だ。
失敗プロジェクトってのは話が極限にこんがらがるから、この作業は何が原因だ、この問題点はここに起因している、解決にはいくらいくらのコストが必要、結果的に納期にどの程度の影響が出る。
とこんがらがったプロジェクトを整理し、可視化し、主張するという能力が必要になる。

これは炎上プロジェクトを何度か経験している歴戦のソルジャーでなければ対応が難しい。同じリーダーでも、成功プロジェクトのリーダーと失敗プロジェクトのリーダーでは要求される資質が異なる。

契約という概念に甘く、対組織戦闘論も持っていない若手には、成功プロジェクトで生産性を発揮することは可能でも、失敗プロジェクトのリーダーは務まらない。

既にリーダーになっちゃってるのがその証拠である。
僕とか、他の部長とか、ある程度の経験を有する者はみんなプロジェクトから距離を置いたが、若手プロパーはどうやって逃げたら良いか分からないから、言われるがままに名ばかりリーダーに置かれてしまったわけだ。

この先

最初の頃は「とりあえずプロパーだからリーダー役ってことにしてくれ」みたいな言い回しで体裁上の話であるかのように社長やマネージャーは言い寄って着任させるだろう。

しかし、プロジェクトが進んで破綻が明確になってくると手のひらを返し、「リーダーとしての職責を果たせ」と言ってくる。

もちろんこの名ばかりリーダーにリーダーの職責を果たすスキルは無い。
ひたすらプロジェクト失敗の責任を押し付けられ続ける。

これはつまり、


  • プロジェクトの失敗の一員はプロパーのスキル不足にある。


という論調に正当性を与えるものだ。

言い方を変えれば、プロパーは自分の身を犠牲にしてコンサルを守るという意味だ。

失敗の原因がプロパーにあることを理由に、コンサルに対し善管注意義務を追及することが出来なくなる。

嫌々参加しているメンバーが、自ら進んで社長やコンサルを保護して差し上げるという、これはそういう体制図だ。

更にその先

プロジェクトが打ち切りとなった後は総括が待っているが、もちろん失敗の原因はリーダープロパーにあるという理屈になるから、


  • 関わったプロパーに責任があるから、関わったプロパーの賞与をカットする。


というように、賞与カットを最初とする待遇悪化に正当性を与えるものだ。

まあ、若手には下がるほどの地位が無いから降格は無いにしても、会社の経営が復帰しない限りは低待遇に留められる正当な根拠を与える、ということに他ならない。


  • プロジェクトが失敗し、会社の経営に大打撃を与えたその一因は関わった技術者のスキル不足にある。


という論調が永遠に継続する。

これは永遠に訂正されない。
5年経っても、10年経っても、ずっと同じ話を蒸し返され続ける。

何度でも蒸し返しがある。
組織というのはそういうものなのだが、まさか5年も10年も蒸し返されるなんて、社会人経験が数年しか無い若手社員が想像するのは難しかろう。

既出

っていう風になるのが分かっていたから、僕は旧体制で話をつけたんだけどね。
この話は社長のみならず、あっちこっちに説明もした。
証跡も残している。会議の録音までやってるんだから。

しかし、いくらキッチリ話をつけて議事録や証跡まで残していたとしても、


( ゚Д゚)「ウズがいなくなったら全部ひっくり返したろ」


みたいな姿勢でいられては何ともならん。(´・ω・`)

間もなく僕はこの会社からバックレてしまうが、残る人は可哀そうじゃのう。(´・ω・`)

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