SIer営幹部が「何があっても絶対に逃げないことが当社のブランド価値」などと言うことについて「それは奴隷根性で、その結果、多くの技術者が理不尽なデスマを歩かなければならなくなる」と批判してきた。よく考えると、こうした発言は不採算案件を出した時の言い訳でもあるな。つまり責任回避の方便。— 木村岳史(東葛人) (@toukatsujin) 2018年7月25日
このツイートに「うちの会社みたいだ」「前職で同じような事を聞かされた」といったコメントが数多く寄せられてワロタ…などと言っている場合ではないな。私も極言暴論の記事で書いたり、SIerの経営幹部に面と向かって「絶対に逃げないは禁句」と諭したりするのだが、彼らは言うのを絶対にやめない。 https://t.co/oyu4QrgwN4
— 木村岳史(東葛人) (@toukatsujin) 2018年7月26日
「ウチの会社でも同じようなことを言われている」と感じている人が多いようだな。
「逃げるな、逃げるな」と圧力ばかりかけまくられて、かつ上手く逃げたり立ち回ったりも出来ないエンジニアに「激甚炎上戦術」をオススメしよう。
激甚炎上戦術
激甚炎上戦術とは、早い話がわざと問題を大きくすることだ。
分かり易い例としてギリシャの経済危機を上げてみよう。
ギリシャの例
2009~2010年頃にギリシャでは経済危機が発生し、EU全体を巻き込む金融パニックを引き起こしかけた。
その原因は、ギリシャの経済状態の偽装であった。
ギリシャはまるで健全な経済状態であるかのように装ってEU各国から金を借りまくり、いよいよ膨らみ切ったところで真相が露見した。
当然、本来であれば不誠実な対応を行ったギリシャに制裁が加えられるべきであるが、実際にはむしろ逆にEUから巨額の追加支援を得ることに成功した。
何故そんなことが可能だったか?
それは、ギリシャが経済破綻して債務不履行に至ると、その金融ショックがEU全体を巻き込むレベルにまで問題が拡大していたからである。
ギリシャ一国が死ねば良いレベルではなかった。
だからEU各国はギリシャを助けざるを得なかった。
このような力学が発生したわけだ。
エンジニアの生存戦略
ギリシャの例に学ぶことでエンジニアの立ち回りについて指南しよう。
もし自分が受け持っている業務が以下の状況に追い込まれた場合、
- 自分自身が全力を尽くしても到底解決出来ない。
- 不可能であることを上司に誠心誠意報告したが、受け入れて貰えない。
こんな時、「無理であっても少しでも頑張らなければ!!」と考えるのは愚の骨頂である。
むしろ逆に問題を、火に油を注いでやらなければならない。
担当者である自分自身がサービス残業を毎月100時間くらい頑張れば何とかなるような雰囲気を作り出してはいけない。
1000時間やっても2000時間やっても宇宙が終焉しても永遠に実現不可能にしなければいけない。
仮病を使って一日おきに休み、うつ病であるかのように放心状態を演じて業務進捗を完全に止めてやれなばならない。
もしくはまるで意味の無いアホなことを繰り返してやらねばならない。
「この仕事をこの野郎に任せていたら俺の首まで飛びかねんぞ!?」
という形で上司をビビらせてやらなければならない。
さすればその問題は上司が引き取ることになる。
自分が上司の立場であったら、更に問題を大きくして会社規模にしてやらねばならない。
最終的には社長が青ざめて出陣してくるまで燃え上がらせてやらねばならない。
これにより自分の身は守られるし、むしろ「何とか頑張ろう」の精神で無理に問題を長引かせるよりも早期解決が可能になり、結果的に会社の損益圧縮に貢献する。
エンジニアの激甚炎上戦術は不誠実な対応ではなく、これこそが真の会社への貢献なのである。
前提
もちろん、この激甚炎上戦術を使うためには前提が二つある。
一つ目は、既に全力を尽くしているということだ。
自分で「自分はもう全力で頑張り切った!!」「自分の頑張りを認めない方がむしろ悪い!!」と自信を持って言えるくらい頑張っておかなければならない。
元から手抜きで激甚炎上戦術を使うのは犯罪である。
あくまで道徳というものを弁えていなければならない。
二つ目は、転職可能な力量を身に着けていることだ。
その会社にぶら下がっていなければ生きて行けないヤツに激甚炎上戦術など使えるわけがない。
「いつ首になったって俺には次の会社がある!!」と言えるから可能な交渉術なのだ。
死を恐れない兵隊ほど恐ろしいものはなく、クビになることを恐れない社員ほど厄介なものはない。
エンジニアは死兵にならねばならない。
これがピンチの時に活路を切り開くコツである。
よく会社で言われる「周囲を巻き込んでいく」とはこういうことだ。
これはただ自分が助かりたいだけの逃避ではない。
こういう差し違えるような勢いで突っ込んでいくことが、自分自身、周囲、会社を救う真実の道なのである。
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