読んだ本の中に「心のフィルター」について説いた話があったんだよな。
認知の歪みの一種なんだろう。
様々な情報が飛び交っている中で、自説を補強してくれる情報だけを信じ、自説を否定する材料となる情報を無視する、という癖を持っちゃっている人が存在するらしい。
そこで新型コロナの世界ランキングだけど、
- 1位:中国
- 2位:韓国
- 3位:イタリア
- 4位:イラン
- 5位:ダイアモンドプリンセス
- 6位:ドイツ
- 7位:フランス
- 8位:日本
- 9位:スペイン
と、昔は第3位だった日本が、随分と落ちぶれてきておる。
代わりにヨーロッパ勢が追い上げてきている状況だ。
これについても一部の人は、、恐らく日本がランキングの2~3位だった頃は、ランキングをそのまま受け取って、それを以て「日本の防疫は世界最低レベルだ!!」と唱えていた。
それが現在、日本のランキングが下がってくると、「日本は検査していないからランキングに反映されていないんだ!!」として、それを以て「日本の防疫は世界最低レベルに決まっている!!」と唱える。
日本がトップレベルだった頃のランキングは信じるんだけど、同じランキングでも、日本のランキングが下がった今は信じない。
このように「日本の防疫は世界最悪である」という自説が最初に存在し、以降は常にその説を補強してくれる材料だけをピックアップして信じ、自説の否定に結び付く情報は無視する。
これが心のフィルターだ。
また、最近韓非子という本を読んだ
「韓非」という人が書いた中国の思想書で、孫氏や論語ほどではないが、有名な本である。
そこに「説難」という章がある。
他人を説得することの難しさについて述べたものだ。
他人を説得することの難しさは、自分自身が説得に値する知識を身に付けることにあるのではない。知識を饒舌に話すテクニックにあるのではない。
では、一体何が難しいのか?
相手の心を読み取った上で、相手の信じたい内容に沿うように説得内容を当てはめるのが難しいのだ。
いくら正しいことを言っても相手は信じなくて、間違っていても相手の本音に即した内容だと、コロッと信じる。
例えばここに、自社サービスを安値でリニューアルしたいと願う社長がいるとしよう。
僕や国の提供している客観的指標値を論拠にして弾き出した見積もりは、コストは1億6000万~2億であった。プロジェクト期間は2年だった。
一方、コンサルが持ってきた提案は、コスト5000万、プロジェクト期間は半年だ。
もちろん、社長は後者のコンサルを信じる。後はそれをSES契約にすれば完成責任も無く、ノーリスクで契約をゲットできる。
これがコンサルの強みだな。中国では縦横家とも言った。
対して、社員の方は、主君の本音に合理性が無いと判断したら、慌ててトンズラしなければならない。
韓非子にはこのようにも記述されている。
表向きには名声を重んずるような事を言うが、本音では金銭を重んずるタイプの人間がいる。そのような人間に対して名声を論ずると、うわべだけは乗ってくるが、実際には遠ざけられる。逆に金銭を論ずると、こっそり裏では採用されるが、表向きは見捨てられるだろう。
このように、本心とは違うことを声を大にして言う人もいるから、言っていることをそのまま受け取っても成功するとは限らない。
大事なのは本音を見切ることである。
いはやは、人間ってのは難しいね。
ともかく、僕の言いたい事としては、だ。
人間ってのは信じたいことしか信じない生き物やねん。
「自分の言っている事は絶対に正しいのに、何でそれが分からないんだろう?」とか、そんなのに悩むのは、まだまだ勉強が足らん。
信じない人間は何やっても信じない、と古代中国の時代からそう言われている。
出来ることはただ一つ、本音に合理性が無い人間とは距離を置くことだけだ。
新型コロナについても、信じたい情報しか信じない人が喚き散らしているのに腹を立てるなんてのは愚の骨頂である。
遠い世界の他人事として見るのが正解だ。
さすれば心安らかに生きることができよう。
韓非子は良い本であった。(´・ω・`)
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