• 2019年2月15日金曜日
ウズマスターの日々
ウズマスターの日々 https://blog.uzumax.org/2019/02/blog-post_15.html

会社の未来

今日は後輩と二人で客先常駐だったんだが、作業はチョロく終わって時間があったから、時間潰しに弊社の未来について分析、検討を行った。

現状分析

まず、現状の弊社がどういう状況にあるかということを分析した。
この点については明確である。

  • 主力製品が競合他社に負けている。

この状況から何とかして挽回しなければいけない。
そこで主力製品のリニューアルを行わなければならないのだが、そのリニューアルに必要とする工数は僕の計算では100画面規模、1億6000万円である。

しかし、100画面規模、1億6000万円の工数が必要なプロジェクトを、何故か5000万円でやり遂げようとしているというおかしな状況になっている。

何でこんなことになってしまうのだろうか?

競合他社分析

そこで、僕達は謎を解く鍵を探しに競合他社を分析することにした。
競合他社も株式を上場しているわけではないから情報は少なかったのだが、僕たちが着目したのは資本金の差だ。

  • 弊社:1500万円
  • 他社:9500万円

資本金が6倍以上も開いている

なるほど。
ここに他社の強さの秘密があったんだ。

資金力の差

基本的に、企業の資金調達能力は資本金に比例する。

弊社がライバルとして見做している競合他社は資本金が9500万円もある。
この資本金であれば、調達出来る資金は少なく見積もって2億。会社の信用を踏まえれば3億くらいは調達出来るのではないだろうか?

ここからライバル製品の機能も踏まえて計算すると、恐らくライバル企業は最大限度3億という資金力の元、その中から1億6000万~2億程度を投入して製品を作り上げていると予想される。

対して、資本金が1500万円しか無い弊社は、どれだけ頑張っても5000万円しか資金を調達出来ない。

つまり、プロジェクトに投入する資金に3~6倍の差がある状況で、ライバル企業に勝たなければならない。

資金力の差。
これが弊社がライバル企業に淘汰されつつある最大の要因であろう。

発想の転換

資金力に3~6倍の差がある相手と正面衝突するのは、舞の海が小錦と力勝負するくらい無理がある。

発想を根本から見直す必要がある。

一太郎を考える

ここで、参考として「一太郎」と「Microsoft Word」を考えよう。

一太郎はジャストシステムが発売しているワープロソフトである。
若い衆は知らないかもしれないが、昔は日本語のワープロソフトと言えば一太郎しか無いという独占状態であった。

しかし、その後に世界的大企業のMicrosoftが「Word」という製品を出してきた。

Microsoftは強大だ。日本の一企業が勝てる相手ではない。
当然のようにビジネス界はMicrosoft Officeが席巻して、今やどの現場に行ってもパソコンにはOffice製品がインストールされている。

こうして、一太郎は滅び去ったか?
いやいや、そんなことは無い。

確かに中心的シェアという意味ではMicrosoft Wordがぶっちぎりである。
しかし、一太郎には日本語という生きる道があったんだな。

僕は僕自身が小説家だから知ってるんだけど、Wordって日本語を縦書きで書くと文字数が崩れるとか都合の悪い部分があるのよ。
一太郎で書けばそんなことは起きない。

だから、小説の執筆とか、更にそれを印刷して製本したいとか、そういう日本語の出版業では絶対に一太郎の方が優れているんだ。

つまり、一太郎はワープロソフトという全体的シェアの中ではその座をWordに明け渡したものの、日本語文書に特化というニッチな需要を掴み、手堅く生き残ることに成功した。

ジャストシステムの経営者は実に優れた手腕だった。

弊社を考える

これを踏まえると、もう言いたいことは分かるだろう。

資金力で圧倒的に上回るライバル企業に、同じ土俵で正面衝突するのではない。
むしろライバル企業とは違う部分にアピールポイントを見出し、ライバル企業とは違う土俵で戦うべきではないだろうか?

しかし、ここでも痛い問題がある。

アイデアの欠如

「ライバル企業との差別化」なんて、そんなことはみんな分かってるんだ。
しかし、どう差別化して良いか、アイデアが無い

アイデアが無いってのは痛いよ。
資金力で負けているのだったら、努力とか創意工夫でカバーするしか無い。

少し昔になるが、NHKで放送されていたドキュメンタリー「プロジェクトX」は、開発者の努力、機転、創意工夫、そういうもので困難を乗り越えたというストーリーに日本人の美的感覚と一致した結果、ヒットしたという構図があるだろう。

しかし、弊社にはその「創意工夫」が無い。
金も無ければアイデアも無いという集団である。これは痛い。

従業員の問題

これはね~、僕は社員が悪いと思っているよ。

弊社の経営規模では5000万円しか出せないんだよ。
と言うより、「社長が5000万円を用意して下さった」と考えるべき。

5000万円をどう使ってビジネスを軌道に乗せるか。
それを考えるのは社員の仕事だわ。

弊社は社長と数人しか社員がおらんような零細企業じゃないんだ。
20年以上経営してきて、社員も30人くらいいる。
何でもかんでも社長に全部丸投げするような会社じゃ、最早無いんだよ。

でも、「5000万もあればこんなことが出来ますよ!!」「これで弊社は生き残れます!!」と言えるだけの才覚のある社員がいなくって。(泣)

申し訳ないが、僕でも無理。
僕にポンッと5000万円を渡されてもどう使えば分からないし、他の人だって同様でしょ。

もし僕に5000万円で会社を発展させるアイデアがあったら、「おい、こら、馬鹿社長!! テメーはさっさと引退して俺を取締役にしろ!!」くらい言えるんだけど、僕にそんな才覚は無くってね……。

僕に出来るのはほんの小さなことだけなの。
こんな話は手に負えない。

ダメ出しは出来るが道を示せない

つまるところ、弊社には僕も含めて全員に以下の問題がある。

  • 問題点を指摘することは出来る。
  • しかし、解決策を示すことは出来ない。

これ。

そりゃあね、本来1億6000万必要なプロジェクトを5000万で終わらせようなんて、とんでもなく無理な話だよ。
ダメなことは誰だって分かる。

でも、だからと言って何もしなければジリ貧で死ぬんだよ。

何もせずにいたらジリ貧で死ぬことが確実に分かっているし、かと言って有効な解決策も示せないから、一か八かで無謀な賭けに出ざるを得なくなってしまう。

それが弊社の状況だわ。決して社長個人の問題だけではない。

それが本日の分析結果だった。

まとめ

やっぱり人間は「道」を示せなければならないな。

  • あんな問題がある。
  • こんな問題がある。
  • でも、どうして良いかは分からない。

こんなんじゃダメなんだよ。
ゴールに辿り着くまでのロードマップを示すことが出来て、初めてビジネスマンとしての価値がある。

「こんなことで困ってるんですよ」って、それは単なる報・連・相だろ。

そんなことは社会人二年目で既に理解しているんだよ。
そこから先ってのは社会人10年目を超えた現在でも未だに良く分からなくって。

はぁ~、困った。(´・ω・`)

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