• 2013年3月31日日曜日
ウズマスターの日々
ウズマスターの日々 https://blog.uzumax.org/2013/03/blog-post_31.html

聖闘士星矢Ω 第一部完

聖闘士星矢Ωは今朝の放映で第一部完を迎え、来週から第二部らしい。

第一部が完結した現時点の感想を述べると『駄作』だ、これは……。

まず良かった点を述べる。

▼良かった点
・キャラ:飽きない多彩なキャラが沢山出て来た
・声優:超豪華
・作画:偶にヤバい時もあったが総合的にはOK

とこのようにアニメとして押さえて置かなければならない点はキッチリ抑えている。
だから壊滅的クソアニメだとは思わない。
むしろ素材としては申し分無い豪華さだった。
では何が悪かったか。

▼悪かった点
・脚本

これに尽きる。
物語というのは長ければ長いほどに脚本を作るのが難しくなる。
聖闘士星矢Ωは一年に渡る長いストーリーだったから、相当に難しかったに違いない。
最初と最後の辻褄を合わせるだけで一杯一杯で、全体的な高い完成度を目指す力が無かったという印象だ。

「属性の相性とか何だったの?」「主人公瀕死⇒一発逆転のワンパターンが過ぎる」とか一つ一つ例を挙げて批判してもキリが無いし不毛であるので、最も核心部分だと思う所を挙げると、

・アリアとソニアを殺した。

これが致命傷だと思う。
もちろん「重要キャラが死ぬ」というのは別に変ではない。そういう話というだけだ。
だが作品の性質を考えて「殺すべきだったか?」と考えると、それは断じてNOであると僕は思う。

というのも、この聖闘士星矢Ωは「大切な人を守る」「大切な世界を守る」というのが主人公側の動機付けとして譲ってはいけない一線なのだ。
そして、アリアとソニアは「討ち死して話を盛り上げるキャラ」ではなく、「守られて最後はハッピーエンドで終わるべきキャラ」の側に立っていた。

この二人を殺した為に何が起きたかと言うと、

▼ソニアの死によって蒼摩がポジションを失った。
この二人はソニアが蒼摩の親の敵という怨恨関係なわけだが、これは和解することで決着するべき流れだった。
しかしながら、それまでの話の展開をミスって『和解=ソニアが主人公側に寝返る』という決着に持って行けなくなったんだろう。だからどっちつかずで殺して退場させた。蒼摩がそれまで立ててきた和解フラグが活用されないまま、何とも不完全燃焼な結果に終わってしまったわけだ。

▼アリアの死によって主人公勢が死人の傀儡になった。
そしてこっちがより致命的。
アリア討ち死によって「大切な人を守る」という動機付けが喪失した。死んじまったんだから。
だから「大切な人を守る」というテーマを「大切な人が守りたかった世界を(死んだ人の意思を継いで)守る」というテーマに切り替えたんだけど、この急展開は完全な失策だった。
「ヒロインを守り損ねて殺した主人公」という烙印を払拭するのは容易なことではない。
そして遂に最後まで払拭することが出来ずに、『死んだ女の遺志で戦う』という何とも暗い動機で戦い続ける羽目に陥ったわけだ。
アリアの死と入れ替わりに「アテナ沙織を守る」という面が強調されるようになったけど、これは無理だ……。

・アテナ沙織が死んで、代わりにアリアが次世代のアテナとして立つ。

だったらまだ何とかなったかもしれないけど、

・次世代を担うべきアリアが死んで、代わりに旧世代のアテナが守られた。

って形では未来への展望が無いだろ。
というわけで、「アリアの死」は聖闘士星矢Ωの致命傷となったと言わざるを得ない。


だが幸いなことに、ここから第二部が続くようだ。
第一部の負の流れをここで断ち切って、第二部でこのヒロイン二名の復活を期待したい。

0 件のコメント: